季節は10月です。秋も深まり、木々が鮮やかに色づく頃。空気が澄んで空が高く感じられ、過ごしやすい日々が続く季節ですね。
10月にもいろいろな別称があります。「神無月(かんなづき)」という言葉はもしかしたら聞いたことがあるかもしれません。しかしその他にもたくさんの別称があるのを知っていますか?
普段聞きなれない言葉は難しく、あまり歌詞に使われないことも多いですが、和風な歌や古風な歌を書くときには役に立つかもしれません。また、聞きなれない言葉の珍しさや響きが、歌詞のフックになることもあります。
今回は、古風・和風な歌詞に使える、知っておきたい月の別称《10月編》についてお届けします。
10月の別称 神無月(かんなづき)
「神無月」は10月を表す、もっともよく知られた和名です。全国の神様が出雲大社に集まるため、他の地域から神様がいなくなる月という説が広く知られています。神秘的で荘厳なイメージを持つ言葉で、歌詞に使うだけで古風で奥深い雰囲気が生まれます。なお出雲では、神様が集まることから「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。
10月の別称 建亥月(けんがいげつ)
「建亥月」は、十二支の「亥(いのしし)」と、月の位置をあらわす「建(けん)」を組み合わせた呼び名です。古代中国から伝わった暦の考え方にもとづいており、時代がかった神秘的な雰囲気を持ちます。歌詞に使うと、古風でスケールの大きな世界観を演出できるでしょう。
10月の別称 初冬(しょとう)
「初冬」は旧暦における冬のはじまりを意味します。現代の感覚では10月はまだ秋のイメージが強いかもしれませんが、旧暦では10月はすでに冬の入口とされていました。「初冬の風」「初冬の朝」など、秋の名残と冬の気配が交差する季節の移ろいを表現したいときに使いやすい言葉です。
10月の別称 立冬(りっとう)
「立冬」は冬の始まりを告げる言葉で、10月の別称のひとつです。現代では11月初旬の二十四節気のひとつとして知られていますが、旧暦では10月が冬の始まりにあたります。凛とした冬の到来を感じさせる言葉で、歌詞に使うと季節の転換点を鮮やかに描くことができます。
10月の別称 極陽(きょくよう)
「極陽」は陽の気が極まる時期を意味する言葉で、10月の別称のひとつです。陰陽思想にもとづいた呼び名で、独特の哲学的な響きが魅力です。あまり知られていない言葉だからこそ、歌詞の中で使ったときに深みのある印象を与えます。宇宙的・神秘的な世界観を持つ歌詞に取り入れてみてはいかがでしょうか。
10月の別称 雷無月(かみなしづき・かみなかりづき)
「雷無月」は雷が鳴らなくなる頃であることから付いた名前です。「かみなしづき」「かみなかりづき」どちらの読み方もあります。夏の間あれほど轟いていた雷がひっそりと静まる様子は、季節の終わりや静けさを感じさせます。喧騒が過ぎ去ったあとの静寂を歌いたいときに、ぴったりの言葉です。
10月の別称 神嘗月(かんなめづき)
「神嘗月」は伊勢神宮で神嘗祭(かんなめさい)が行われる月であることから付いた名前です。神嘗祭はその年の新穀を天照大御神に捧げる重要な祭事で、日本の信仰や稲作文化と深く結びついています。古風で神聖な雰囲気を歌詞に込めたいときに、格調ある一語として使えるでしょう。
10月の別称 小春(こはる)
「小春」は小春日和の月という意味を持ちます。冬の入口でありながら、穏やかで暖かな日差しが続くことを「小春日和」と呼び、その季節を指す言葉です。冬の寒さの中にふと訪れる温もりのように、やさしく懐かしいイメージを持つ言葉です。ほっこりとした温かみを歌詞に添えたいときにぴったりです。
10月の別称 初霜月(はつしもづき)
「初霜月」は初霜が降りる頃であることから付いた名前です。夜明け前にうっすらと白く染まる霜の情景は、冬の訪れを静かに告げます。清冽で凛とした空気感を歌詞に表現したいとき、あるいは何かのはじまりや新しい局面を象徴する言葉として使ってみてはいかがでしょうか。
10月の満月 ハンターズムーン
満月にも名前があり、10月の満月は「ハンターズムーン」と呼ばれています。冬に備えて狩りを行う季節にあたることが由来で、北米の先住民が名付けたとされています。力強く研ぎ澄まされたイメージを持つ名前で、何かに向かって突き進む歌詞の情景にもよく合いそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。10月にもいろいろな呼び方があり、風情がありますね。和風・古風な歌詞を書く際には、ぜひこれらの言葉を取り入れてみてください。知らない言葉との出会いが、新しい表現のヒントになるかもしれません。
投稿者プロフィール

- 作詞家・作詞講師
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作詞家/作詞講師。
代表作はNiziU『SWEET NONFICTION』ShutaSueyoshi『HACK』など。
著書に『作詞入門 実例で学ぶポイントとコツ』『ヒット曲に学ぶ作詞の絶妙表現50《平成編》〜歌詞のタイプで磨く作詞技法』など4冊の著書がある。
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