「イヤーワーム」という言葉を知っていますか?イヤーワームとは、脳内で同じメロディーが何度もリピートすること、いわゆる「音楽が頭から離れない」状態を指します。料理中や勉強中など、不意に頭の中で知っている曲が流れてきてエンドレスリピート…という経験をしたことがあるのではないでしょうか。今回はイヤーワームの仕組みについて解説します。
昔、モーニング娘。さんの曲やミニモニ。さんの曲がテスト中に頭の中でエンドレスリピートすることが多かった記憶があります
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イヤーワームとはどんな意味?
「イヤーワーム」の「ear」は英語で耳、「worm」は細長い虫という意味です。直訳すると「耳の中に住み着く細長い虫」。気味悪いものとしてとらえられているようです。19世紀に、マーク・トウェインが「トム・ソーヤーの冒険」の中で「ひとりでに音楽が頭の中で流れ始める」と書いているように、イヤーワームの現象は昔からありました。
イヤーワームはどんな時に起こる?
「イヤーワーム」とは、「ディラン効果」とも呼ばれ、約9割の人が週に1度ほど経験していると言われています。頭の中に流れてくる曲の特徴としては、単調なリズムの繰り返し。出現する場面はさまざまで、ボーっとしているときや単調な作業をしているとき、勉強など前向きな行動をしているとき、あるいはストレスを感じているときにも起こりやすいと言われています。
2012年、フィンランドのアールト大学による調査によると、下記のことがわかっています。
- イヤーワームは「若い人」「女性」「日頃から音楽に触れている人」に起こりやすい
- イヤーワームはどんなジャンルの曲でも起こる
- イヤーワームのきっかけになりやすいのは古い曲よりも、現在の曲
女性の方が男性よりもイヤーワームが長時間続き、不快感も男性よりも大きいという傾向もありますが、症状は人によってさまざま。数分や数時間で消えてしまう人もいれば1日以上継続して発症している人もいるなど、まだ解明されていない点も多くあります。
イヤーワームが起こる原因は?
脳とイヤーワームとの関係は完全にわかっていませんが、音や音楽を感じるときに活動する脳の「右横側頭回」というエリアと、理性に働く「右下前頭回」というエリアのたん白質が少ないと、イヤーワームが多発するそうです。イヤーワームが発生するきっかけは、このような脳の領域による影響の他に、曲に関係する体験や風景、感覚など、また、環境や精神状態も深く関わっていると言われています。さらに、その時の気分にも影響されるそうで、ストレスを感じる度にイヤーワームが発生したり、気分が高揚している時にテンポの速い曲のイヤーワームが発生するなどといったことがあります。
また、音楽に関わる頻度もイヤーワームが起こる原因の一つだと言われています。日常的に音楽に触れる頻度や曲に対する親密度が高ければ高いほどイヤーワームを起こしやすいと言われています。
まとめ
音楽に携わる皆さんの中にも、イヤーワームを良く経験しているという方もいるのではないでしょうか。イヤーワームは、ポジティブに受け止められる人もいますが、ネガティブなものと感じる人もいます。次回はイヤーワームになりやすい曲の特徴と、イヤーワームの止め方についてお伝えします。
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