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作詞家になるには、まず歌詞の特徴を知ろう。歌詞に使ってはいけない言葉とは

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作詞家になるには、まず歌詞の特徴を知ろう
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先日、こんな記事を目にしました。「歌詞の一部がSNSで批判され――尾崎世界観が語る、言葉をめぐる苦悩

クリープハイプさんが2019年にリリースした「愛す」という曲。「愛す」と書いて「ブス」と読みます。その歌詞は「逆にもうブスとしか言えないくらい愛しい それも言えなかった」という歌い出しで始まります。この歌詞がSNSで批判されたというのです。それを見た尾崎世界観さんは「強引に歌から言葉だけが引き剥がされる」と感じたそう。「愛す」と書いて「ブス」と読むこの曲は、本当に批判されるべきものだったのでしょうか?今回は歌詞に使って良い言葉、悪い言葉とは何かについて考えてみましょう。

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作詞家になるには、まず歌詞の特徴を知ろう
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歌詞で使わない方が良い表現とは

基本的に歌は人を楽しませるものです。人を傷つけたり、嫌な気持ちにさせたりするものであってはいけないと私は考えています。歌詞で使わない方が良い表現のひとつに「放送禁止用語」があります。放送禁止用語は放送事業者が自主規制している言葉で、肉体的・精神的な侮辱の言葉や差別用語などが含まれます。「放送禁止用語」でなくとも、コンプレックスを持つ人が、歌を聞いたことでそのコンプレックスをさらに気にしてしまい、傷ついてしまうことは良くないと考えます。(参照:『作詞入門 実例で学ぶポイントとコツ』151ページ)

「ブス」は放送禁止用語?

放送禁止用語は放送事業者が自主規制している言葉ですが、2022年時点では「ブス」は放送禁止用語ではありません。また、放送に対する視聴者のクレームなどを元に年々その対象は増えています。リリース後に、歌詞やタイトルに使っていた言葉が、後々放送禁止用語になるということもあり得るのです。また、放送禁止用語が今後もたくさん追加されていけば、歌詞だけでなく言葉や文字の表現の幅は狭まっていってしまいます。これはとてもつまらないことのように感じます。

「愛す」の中での「ブス」の使われ方

「愛す」の中には下記のような歌詞が登場します。

「逆にもうブスとしか言えないくらい愛しい それも言えなかった」

「いつもほらブスとか言って素直になれなくて ちゃんと言えなかった」

歌詞の前後の文脈を読めば、決して罵っているわけではなく、裏腹な感情や愛しい相手を想ったラブソングとして、表現として「ブス」を使っていることがわかります。

たとえば、「顔が○○な人はブス」とか、「身長○○センチ以下はチビ」など、主張やメッセージとして歌う場合は、聴き手を嫌な気持ちにさせることがあるでしょう。しかし、「愛す」ではそういった文脈では使われていません。聴き手が不快な気持ちにならないのであれば、問題のない表現だと私は考えます。「ブス」という言葉を使っているから必ずしも人を傷つけるとは限りません。尾崎世界観さんが「強引に歌から言葉だけが引き剥がされる」と仰るのも納得です。

言葉そのものよりも、聴き手の気持ちに寄り添おう

歌詞を書くときに気を付けるべきは、言葉そのものではなく、曲を聴いた人がどんな気持ちになるかを考えることです。もちろん、受け手の気持ちを思いやって言葉を選ぶことは大切ですが、ひとつひとつの言葉に目くじらを立てることが必要とは限りません。その言葉をどんな文脈で、どんな意図で使うのかということに敏感になりましょう。また、近年、表現に対しての批判は過剰になってきているように感じます。言葉の表現の幅がある程度許容される、表現者が窮屈でない世の中になると良いなと思います。

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