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「コロンブス」炎上。今あらためて考えたい、歌詞の性質と飛距離

歌詞コラム
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「Mrs. GREEN APPLE」の新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)が公開されるや否や、炎上してしまいました。このMVではメンバーがクリストファー・コロンブスやナポレオン、ベートーヴェンといった歴史上の偉人に扮し、猿の着ぐるみを着た演者にピアノを教えたり、人力車を引かせるシーンが描かれており、この演出が大きな議論を巻き起こしています。今回の炎上は、歌詞そのものというよりも、MVの表現についてでしたが、この歌にかぎらず、歌詞が炎上するということもたびたび起こります。ここで、今あらためて、歌詞の性質について考えてみたいと思います。

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「コロンブス」ミュージックビデオの炎上の背景

「コロンブス」のMVはなぜここまで炎上してしまったのでしょうか。その背景を簡単に確認しましょう。まず、長い間「新世界の発見者」として称えられてきたコロンブスですが、近年ではその評価が大きく変わってきています。彼は探検家である一方で、奴隷商人や侵略者としての側面も持ち合わせており、特に2020年には白人至上主義や黒人の奴隷化、先住民への迫害を象徴する存在として、全米各地でコロンブス像が破壊される事件が相次ぎました。このような背景から、コロンブスを探検家として讃えるような表現が議論を巻き起こしています。さらに、MVの中で猿の着ぐるみを着た演者にピアノを教えたり、人力車を引かせるシーンは、人種差別的なニュアンスを含んでいると受け取られ、多くの人々の反感を買いました。つまり、これらの演出は、現代の社会的・文化的文脈において不適切であるとされたのです。

EXIT「なぁ人類」におけるコロンブスの表現が議論になったことも

今回の「コロンブス」の炎上は、決して初めての事例ではありません。例えば、EXITの「なぁ人類」という楽曲の歌詞にも「コロンブスがアメリカ大陸を見つけた時代の方がよっぽど自由と希望溢れてただろ」というフレーズがあり、これが議論の的になったのです。

歌詞は時代を反映し、どこまでも飛んでいく

ここで考えたいのは、歌詞はその時代の社会情勢や価値観を反映するということです。「コロンブス」も、もっと昔に作られた歌詞ならここまでの違和感はなかったかもしれません。しかし、現代では歴史的な人物に対する評価が変わったことで、議論の対象となりました。歌詞はリリースされた時期の社会的・文化的な背景を反映することを覚えておきましょう。

また、歌詞は場所をこえて広がる力を持っています。「コロンブス」がライブハウスで一回歌われるだけで、配信されない曲だったなら、ここまでの炎上はしなかったでしょう。しかし、「コロンブス」は日本を代表する有名なアーティストによる楽曲であり、YouTubeなどの配信を通じて世界中に届くものでした。このように、歌詞が広範な場所に届く場合、その影響力も大きくなります。歌詞は場所をこえて飛んでいく、ということを意識することも大切です。

まとめ

「コロンブス」の炎上で、多くの人に届く作品の影響力の大きさとその責任を再確認しました。歌詞はその時代を反映し、場所を超えて届く力を持っています。自分が作る歌詞が誰に聞いてもらうもので、どんな影響があるかを考えることも作詞の重要な要素なのです。

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